Q1. 超音波加工の主なメリットは何ですか?
超音波加工の最大のメリットは、硬くて脆い材料(硬脆材料)高精度かつ低ダメージで加工できる点です。
- 高精度・高品質な仕上がり:加工中に材料への負荷が低いため、カケ(チッピング)やバリ、クラックの発生を大幅に抑えることができ,、加工歪みが少ない高い面精度の仕上がりを実現します。
- 熱影響の最小化:加工時の発熱がほとんどなく、熱による材料の変形や組織の変質が起こりにくいため、熱に敏感な材料や精密な寸法精度が求められる部品の加工に非常に有利です。
- 幅広い材料適応性:被加工物が電気的導体であっても絶縁体であっても加工が可能であり、放電加工など他の特殊加工法に比べて適用範囲が広いという特徴があります。
Q2. 形状や生産性に関するメリットと、それに関連するデメリットはありますか?
超音波加工は、工具の形状に依存するため、円形だけでなく、角穴、異形穴(複雑な形状)、溝、彫刻加工など、形状の自由度が高い加工が可能です。
また、工具の縦振動を利用するため、小径孔や細いスリットなどの微小加工に加え、多数個の孔あけや打抜きを同時に加工できる(多軸同時加工)という大きなメリットがあり、これにより個々の加工品のコストダウンや量産に適しています。
一方で、デメリットとして、他の加工法と比較して加工速度が遅い点が挙げられます。これはダメージを抑えるための特性の裏返しでもあります。
導入・運用において留意すべきコストや環境面でのデメリットは何ですか?
超音波砥粒加工方式を採用しているため、工具の運用と砥粒の管理に課題があります。
- 工具の消耗とコスト:加工時に砥粒にさらされるため、工具自体が摩耗(消耗品)となります。工具が摩耗すると形状が保てなくなり、再研磨や交換が必要となるため、工具代が高くなり、場合によっては加工費用を上回るケースが発生する場合があります。
- 砥粒管理の煩雑さ:水や油に砥粒を混ぜた懸濁液(スラリー)を使用するため、砥粒の濃度が加工速度に大きく影響し、最適な濃度管理が求められます。
- 環境負荷と手間:スラリーを使用するため、使用済み砥粒の廃棄処理や、装置の清掃に手間とコストがかかり、作業環境が汚れやすいというデメリットもあります。