超音波加工における多穴加工、異形穴加工の目的と加工方法

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Q1. 超音波加工機で行う多穴加工(多数個同時加工)の目的と、その加工方法は

超音波加工における多穴加工の主な目的は、小型部品の量産化とコストダウンを実現することです。

特に硬くて脆い材料(硬脆材料)の精密加工が求められる半導体関連や光学系分野で重要視されています。

超音波加工機は、工具に高周波縦振動を与え、砥粒の衝撃作用で材料を微細に破砕・除去する「超音波砥粒加工」の方式を採用しています。

この上下振動による破砕加工の特性を利用し、多数個の孔あけや打抜きを同時に加工する「多数個同時加工(多軸同時加工)」が可能です。

これにより、個々の加工品のコストダウンが可能となり、量産に適しています。

例えば、直径100mmの円の範囲内に1mm程度の穴を1000個、2000個同時に開けることは、超音波加工が最も得意とする技術の一つです。従来の回転ドリル加工で細い小径孔を多数開ける場合、工具(ドリル)の折損が多発し、材料ごと無駄になるリスクがありますが、超音波加工は低ダメージで丁寧に加工を進めるため、このリスクを避けることができます。

Q2. 異形穴加工とは何ですか?また、超音波加工ではどのようにして複雑な形状を加工するのですか?

異形穴加工とは、円形や角形といったシンプルな形状だけでなく、複雑な形状の穴や溝、彫刻などを加工することです。

超音波加工の原理では、工具自体を回転させず、工具先端に与えられた形状がそのまま加工物に彫り込まれていく(工具と加工形状が雄雌対称となる)方式を取ります。

工具の形状さえ製作可能であれば、形状的な自由度が非常に高いのが特徴です。

具体的には、円形、角穴のほかに、トランプのマーク(ハートやスペードなど)のような複雑な異形穴を開けることも可能です。

この加工法は、ガラス、セラミックス、CFRP(カーボン材)などの硬脆材料に対しても適用され、加工時の負荷が低いため、カケ(チッピング)やクラックの発生を抑え、高い面精度で複雑な形状を実現できるメリットがあります。

CFRP材の加工では、繊維の毛羽立ちを抑えた異形穴加工が可能です。

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